HubSpot(ハブスポット)を導入したものの「機能が多すぎてどこから手をつければいいか分からない」「使い方のマニュアルはないの?」とお困りではありませんか。
本記事では、HubSpotの基本的な使い方を初心者にも分かりやすく解説します。初期設定から各機能の活用方法まで、実践的なマニュアルとしてご活用ください。
目次
- HubSpot(ハブスポット)とは?基本を理解しよう
- HubSpotの初期設定:まず最初にやるべきこと
- HubSpot CRMの使い方マニュアル
- Marketing Hubの使い方マニュアル
- Sales Hubの使い方マニュアル
- Service Hubの使い方マニュアル
- Content Hubの使い方マニュアル
- HubSpotを使いこなすための5つのコツ
- HubSpotの学習リソース
- まとめ
HubSpot(ハブスポット)とは?基本を理解しよう
HubSpot(ハブスポット)は、マーケティング、営業、カスタマーサポートの機能を統合したCRM(顧客関係管理)プラットフォームです。2024年3月時点で全世界20万社以上が利用しており、ビジネスの成長を支援する強力なツールとして知られています。
HubSpotの最大の特徴は、複数のツールを一つのプラットフォームで一元管理できる点です。従来のように、マーケティングツール、営業管理ツール、サポートツールをバラバラに導入する必要がなく、全てのデータが連携して管理されます。
HubSpotの主要7機能
- HubSpot CRM:顧客情報の収集・管理(無料)
- Marketing Hub:メール配信、フォーム作成、広告管理など
- Sales Hub:商談管理、パイプライン管理、見積書作成など
- Service Hub:チケット管理、FAQページ作成、チャット機能など
- Content Hub:Webサイト・ブログ・LPの作成と管理
- Operations Hub:データ同期、外部アプリ連携、自動化
- Commerce Hub:見積もり、請求書、決済管理
HubSpot CRMは完全無料で利用でき、最大1,500万件の顧客情報を登録可能です。その他のHubには無料プランと有料プランがあり、ビジネスの規模や必要な機能に応じて選択できます。
HubSpotの初期設定:まず最初にやるべきこと
HubSpotを導入したら、まず初期設定を正しく行うことが重要です。ここでは、必ずやっておくべき基本設定を解説します。
1. アカウント設定とユーザー追加
HubSpotでは、チームメンバーごとに適切な権限を設定できます。
ユーザー権限の種類:
- スーパー管理者:全ての機能にアクセス可能
- 権限セット:職務内容に応じた機能権限
- カスタム権限:細かくカスタマイズした権限設定
ユーザー追加の手順:
- 設定アイコン(歯車マーク)をクリック
- 「アカウントのセットアップ」→「ユーザーとチーム」を選択
- 「ユーザー作成」ボタンをクリック
- メールアドレスを入力し、権限を設定
- 「送信」をクリックして招待メールを送る
2. 会社情報の登録
設定アイコンから「アカウントのセットアップ」→「アカウントの既定値」にアクセスし、以下の情報を登録します。
- 会社名
- 住所
- 電話番号
- タイムゾーン
- 言語設定
- 通貨設定
これらの情報は、顧客向けコンテンツやメール配信時に参照されるため、正確に入力しましょう。
3. トラッキングコードの設置
HubSpotでWebサイト訪問者の行動を追跡するには、トラッキングコードの設置が必要です。
トラッキングコードの設置手順:
- 設定アイコンから「トラッキングとアナリティクス」→「トラッキングコード」を選択
- 表示されるコードをコピー
- 自社Webサイトの全ページの</body>タグ直前に貼り付け
- 動作確認を実施
WordPressやGoogleタグマネージャーを使用している場合は、それぞれのツール経由でも設置可能です。
4. プライバシー設定とCookie同意バナー
個人情報保護法やGDPRに対応するため、Cookieの使用について訪問者の同意を得る必要があります。HubSpotでは簡単に同意バナーを設定できます。
設定アイコンから「プライバシーと同意」→「データのプライバシーと同意」→「Cookie」タブで、Cookieポリシーを設定しましょう。
5. 既存顧客データのインポート
ExcelやCSVで管理していた既存の顧客リストをHubSpotにインポートすることで、すぐに活用を開始できます。
インポート手順:
- 「コンタクト」画面の「インポート」ボタンをクリック
- 「コンピューターからファイルをインポート」を選択
- 「1件のファイル」「1種類のオブジェクト」「コンタクト」を選択
- CSVまたはExcelファイルをアップロード
- ファイルの列とHubSpotのプロパティをマッピング
- 連絡同意を確認してインポート完了
注意:Eメールアドレスが重複している場合、同一人物として処理されます。インポート前にデータの重複をチェックしましょう。
HubSpot CRMの使い方マニュアル
HubSpot CRMは、全てのHubSpot機能の中核となる顧客情報管理システムです。完全無料で利用でき、顧客との全てのやり取りを一元管理できます。
HubSpot CRMの主要機能
- 顧客の属性情報管理(氏名、メール、会社名、役職など)
- Webサイト閲覧履歴のトラッキング
- メールのやり取り履歴の記録
- ミーティングスケジュールの設定
- 対応履歴・活動履歴の管理
- タスク管理
コンタクト情報の管理方法
HubSpotでは、顧客情報を「コンタクト」(個人情報)と「会社」(企業情報)に分けて管理します。
新規コンタクトの作成:
- 「CRM(顧客管理)」→「コンタクト」を選択
- 「コンタクトを作成」ボタンをクリック
- 必要な情報を入力(メールアドレスは必須)
- 「作成」をクリックして保存
コンタクト画面では、そのコンタクトに関連する全ての情報(メール履歴、Webサイト訪問履歴、商談情報など)が時系列で表示されるため、顧客とのコミュニケーション履歴を一目で把握できます。
カスタムプロパティの作成
HubSpotには標準で多くのプロパティ(項目)が用意されていますが、自社独自の情報を管理したい場合は「カスタムプロパティ」を作成できます。
例えば、「サービス資料ダウンロード有無」「セミナー参加日」「テスト導入の有無」など、営業やマーケティングに役立つ独自の項目を追加することで、より詳細な顧客管理が可能になります。
Marketing Hubの使い方マニュアル
Marketing Hubは、リード獲得から育成までのマーケティング活動を一元管理できるツールです。
1. フォームの作成方法
問い合わせフォームや資料請求フォームを簡単に作成し、Webサイトに埋め込むことができます。
フォーム作成手順:
- 「マーケティング」→「リード情報の収集」→「フォーム」を選択
- 「フォームを作成」をクリック
- フォームタイプを選択(埋め込み型、ポップアップ型など)
- ドラッグ&ドロップで必要な項目を追加
- デザインをカスタマイズ
- 完成したら埋め込みコードをコピーしてWebサイトに貼り付け
フォームから送信された情報は自動的にコンタクトとして登録され、すぐに営業活動に活用できます。
2. メール配信の設定方法
Marketing Hubでは、デザイン性の高いメールを簡単に作成し、一斉配信できます。
メール作成手順:
- 「マーケティング」→「Eメール」→「Eメールを作成」を選択
- メールタイプを選択(プロモーション、お知らせなど)
- テンプレートを選択
- 件名と本文を編集(画像やボタンもドラッグ&ドロップで追加可能)
- 送信先のリストを選択
- 送信スケジュールを設定
- 「確認および送信」をクリック
配信後は、開封率、クリック率、配信解除率などの詳細なパフォーマンスデータを確認でき、次回のメール配信の改善に活用できます。
3. ランディングページ(LP)の作成
コーディング知識がなくても、プロフェッショナルなランディングページを作成できます。
- 「マーケティング」→「ウェブサイト」→「ランディングページ」を選択
- 「ランディングページを作成」をクリック
- テンプレートを選択
- ドラッグ&ドロップでコンテンツを編集
- SEO設定を行う(メタディスクリプション、タイトルタグなど)
- プレビューで確認後、公開
4. 広告管理の連携
Facebook広告、Instagram広告、Google広告、LinkedIn広告と連携し、広告の成果をHubSpotで一元管理できます。
「マーケティング」→「広告」から「アカウント接続」を選択し、使用している広告プラットフォームと連携させることで、どの広告から何件の問い合わせがあったかを可視化できます。
Sales Hubの使い方マニュアル
Sales Hubは、営業活動の可視化と効率化を実現するツールです。
1. パイプライン(商談プロセス)の作成
パイプラインとは、商談がどのステージにあるかを可視化する仕組みです。(※Starterプラン以上で利用可能)
パイプライン作成手順:
- 設定アイコン→「オブジェクト」→「取引」を選択
- 「パイプライン」タブで「パイプラインを作成」をクリック
- パイプライン名を入力(例:「新規営業プロセス」)
- ステージを設定(例:アプローチ→商談→提案→受注)
- 各ステージの取引確度を設定
- 保存
2. 取引(案件)の作成と管理
取引作成手順:
- 「CRM(顧客管理)」→「取引」を選択
- 「取引を作成」をクリック
- 取引名、金額、クローズ予定日などを入力
- 関連するコンタクトと会社を紐づけ
- 保存
作成した取引は、カンバンボード形式で表示され、ドラッグ&ドロップで簡単にステージを移動できます。進捗が遅れている案件は色が変わるため、対応漏れを防げます。
3. 見積書の作成と電子契約
Sales Hubでは、見積書の作成から電子署名による契約締結までワンストップで行えます。
- 取引画面から「見積もり」タブを選択
- 「見積もりを作成」をクリック
- 商品・サービス、価格、数量を入力
- テンプレートを選択してデザインをカスタマイズ
- 顧客にメールで送信
- 顧客がオンラインで署名可能
これにより、見積書作成の時間を大幅に削減し、営業担当者はより価値の高い営業活動に集中できます。
Service Hubの使い方マニュアル
Service Hubは、顧客満足度を向上させるためのカスタマーサポートツールです。
1. チケット(問い合わせ)管理
顧客からの問い合わせをチケットとして管理し、対応状況を可視化します。
チケット作成手順:
- 「サービス」→「チケット」を選択
- 「チケットを作成」をクリック
- 問い合わせ内容、優先度、担当者を設定
- 関連するコンタクトと紐づけ
- 保存
チケットはカンバンボード形式で管理でき、「新規」「対応中」「保留」「解決済み」などのステータスをドラッグ&ドロップで変更できます。
2. ナレッジベース(FAQページ)の構築
よくある質問をまとめたナレッジベースを作成することで、顧客が自己解決できる環境を整え、問い合わせ数を削減できます。
- 「コンテンツ」→「ナレッジベース」を選択
- 「ナレッジベースをセットアップする」をクリック
- テンプレートを選択
- カテゴリーを作成(例:「料金について」「使い方」「トラブルシューティング」)
- 記事を作成して公開
3. Webチャットの設定
Webサイトにチャット機能を追加し、リアルタイムで顧客とコミュニケーションできます。
- 「自動化」→「チャットフロー」→「チャットフローを作成」を選択
- 「ウェブチャット」オプションを選択
- メッセージの内容をカスタマイズ
- 表示位置や外観を設定
- 保存して有効化
Content Hubの使い方マニュアル
Content Hub(旧CMS Hub)は、コーディング知識不要でWebサイトを構築・管理できるツールです。
ランディングページ作成の詳細手順
- 「コンテンツ」→「ランディングページ」→「作成」を選択
- 目的に合ったテンプレートを選択
- ページタイトルを入力して「ページを作成」をクリック
- 編集画面で、テキスト・画像・ボタンなどをドラッグ&ドロップで配置
- 「+」マークから新しいモジュール(要素)を追加可能
- SEO設定(メタディスクリプション、タイトルタグ)を行う
- プレビューで確認
- 「公開」ボタンで公開
Content Hubを使えば、ブログ記事の投稿管理、Webサイト全体のデザイン統一、SEO最適化なども簡単に行えます。
HubSpotを使いこなすための5つのコツ
HubSpotの豊富な機能を最大限に活用するための実践的なコツをご紹介します。
1. 導入目的と活用目標を明確にする
「なぜHubSpotを導入するのか」「どのような成果を期待するのか」を明確にしましょう。目的が明確でないと、多機能ゆえに何から手をつけていいか分からなくなります。
例:「問い合わせ数を月20件から50件に増やす」「営業の商談管理を可視化する」など具体的な目標を設定しましょう。
2. 最初から多くの機能を使おうとしない
最初は基本機能から始めることが重要です。いきなり全ての機能を使おうとすると、チームが混乱し、定着が遅れます。
まずは「CRM」「メール配信」「フォーム作成」など、最低限必要な機能から始めて、慣れてきたら段階的に他の機能を追加しましょう。
3. 運用ルールを明確に設定する
誰が、いつ、どのように情報を入力・更新するのかルールを決めておくことで、データの品質が保たれます。
- コンタクト情報は商談後24時間以内に入力する
- 取引ステータスは毎週金曜日に更新する
- メール配信は毎月第1木曜日に実施する
など、具体的なルールを設定しましょう。
4. 自動化(ワークフロー)を活用する
HubSpotの最大の強みは自動化機能です。例えば:
- フォーム送信後に自動で御礼メールを送信
- 特定のページを訪問したリードに営業担当者を自動割り当て
- 商談が1週間動いていない場合に担当者にアラート通知
ワークフローを設定することで、業務効率が大幅に向上します。
5. 運用担当者を決める
HubSpotの運用責任者を明確にし、その人が中心となってチームをリードすることが成功の鍵です。運用担当者は、HubSpot Academyなどで学習し、チームメンバーに使い方を教える役割を担います。
HubSpotの学習リソース
HubSpotの使い方を効率的に学ぶための公式・非公式リソースをご紹介します。
1. HubSpot ナレッジベース(公式ヘルプ)
HubSpot公式のヘルプセンターで、全機能の詳細なマニュアルが日本語で提供されています。分からないことがあればまずここで検索しましょう。
2. HubSpot Academy(無料オンライン講座)
HubSpot Academyでは、無料のオンライン講座が豊富に用意されており、動画で学習できます。認定資格も取得でき、スキルの証明にもなります。
3. HubSpot コミュニティ
世界中のHubSpotユーザーが参加するコミュニティフォーラムで、質問や事例共有ができます。日本語のコミュニティも活発です。
4. YouTubeチャンネルやブログ記事
HubSpot公式や認定パートナー企業が運営するYouTubeチャンネルやブログでは、実践的な使い方やTipsが多数紹介されています。
5. HubSpot Solution Partner(認定パートナー)
HubSpotの導入や運用に不安がある場合は、認定パートナー企業に相談することも効果的です。専門家のサポートを受けることで、スムーズな導入と運用が可能になります。
まとめ
HubSpotは、マーケティング、営業、カスタマーサポートを統合管理できる強力なプラットフォームです。
本記事でご紹介した初期設定、各Hub(CRM、Marketing、Sales、Service、Content)の使い方、そして使いこなすためのコツを実践することで、HubSpotを最大限に活用できるようになります。
重要なポイント:
- 初期設定(アカウント設定、トラッキングコード設置、データインポート)をしっかり行う
- 最初から全機能を使おうとせず、基本機能から段階的に導入する
- 運用ルールを明確にし、チーム全体で共有する
- 自動化機能を積極的に活用して業務効率を向上させる
- HubSpot Academyなどの学習リソースを活用してスキルを磨く
HubSpotは無料プランから始められるため、まずは試してみることをおすすめします。使いながら慣れていくことで、自社のビジネスに最適な活用方法が見えてくるはずです。
なお、メール配信機能に特化したツールをお探しの場合は、HubSpot以外にも選択肢があります。以下のリソースも参考にしてください。

